居場所って何?

母親学級が苦手だった。
私が行っている病院の母親たちが特殊なのか当たり前なのか。
いうなれば女子高的な、もっと言えばツレション的な、仲良くしましょ〜という空気。
助産婦がいうことにいちいち反応して頷き、面白くもないことで笑う。
私は昔から友達は一人いればよくて、つるむという事がなにより嫌いだった。
みんなと一緒、みんなで頑張ろう、ママ友、ご近所付き合い。
正直どれもこれも苦手だ。
実家でさえ疎遠レベル。12年で2度しか帰ってない。
仲が悪いというより、ただ仕事が好きだった。
相方の親とは二度会ったきりという
嫁姑ってなぁに?状態の単独行動の人間だ。
だいたい一人でコツコツ進める仕事をしているのだ。
団体戦が好きなら、こういう仕事にはつかない。

「どこにお住まいなんですか〜?」
「うちは狭いマンションで〜」
「私なんて古い家だから」

お得意の謙遜と褒めあい。面倒でたまらなく
休憩時間も本を読んでいることが多い。
気のあう友人が近所で出産しているし、Mもいる。
わざわざ近所の和に〜と頑張るつもりはなかったが
居場所がないのは確か。
はやく帰りたいな…と毎回思う。

母親学級のあと、会社の子がやめるらしく送別会に向かった。
久しぶりにみる顔も多く、テンション高く色々話す。
でも気が付いた。
私はもう妊娠九ヶ月、これから数年は仕事を休む人間だ。
ここから先の仕事の状況は、軽く聞く程度で深い内容までは知らない。
いつもは一緒に愚痴っていた話、関われる内容。
それが何か遠く、自分とは関係のない世界のように感じた。

あれ?ここにも居場所が無くなっている。

帰りの電車の中で呆然とした。
母親学級にも居場所がない。
仕事場にも居場所がない。
だったら私の場所はどこなんだ?
突然怖くなって落ち込む。みんなに置いていかれるような感覚。
ガタンと電車が駅についてハタと思った。

【距離を取ってるのは、自分じゃないか】と。

世界が違う。
好きじゃない。
これからは休むんだし。

自分から線を引いて、自分から逃げていた。
何もしないで。
話してみれば良いじゃないか、近所で、同じ病院で産むんだし。
聞いてみれば良いじゃないか、これからの仕事の話も。
なんだか一人にされてる気がした。
私だけ変わってゆくような恐怖、孤独。確かに今私は、変わっている。
周りは変わらないのだ、当たり前だろう。
大きく状況が変わって、それに対してまだ対応できてないのだろう。
でもきっと、今まで何万人、何億人の人が対応してきた感覚なのだろう。
私に出来ないはずがない。
臨機応変、なるようになる。
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才能という遺伝子

Kさんという、魅力的な男性がいる。
魅力的といっても、それは友人Nの言い分であって
私的には「ただのタラシ」。
離婚3度、訴訟3度、子供5人
4人目の奥さんとの間に3ヶ月前に子供が生まれたばかり。

なのに最近、私の友人Nに手を出してる。

Kさんは本当に仕事ができる。
この業界でもトップクラス。相方も崇拝する【神】の領域。
それは認めるけど、仕事と下半身は切り離して考えてほしい。
まさに「英雄、色を好む」
問題なのは、Nがそれを嫌がっていない事だ。

「誘われちゃって…」
「でも最近男の人と付き合ってないし」
「仕事ばっかりなのも」
「なんか人に抱きしめてほしくなるんだよね」

じゃあ私が抱きしめるっつーの!!
友人Hとステレオで言ってしまった。
人間ってのは解らない。
絶対幸せになれないとわかっていて
どーして惹かれる気持ちを抑えられないのだろう。
もちろん色々と原因はあるだろう。
元々NにとってKさんは憧れの職人だ。
芸能人に声をかけられる…に等しい気分なのだろう。
先日、久しぶりにNと飯を食べたら「一回くらいHしてもいいかな」
なんて言ってやがった。…あほか! 

このブログにも何度か出てきているが
Nは基本的にクソマジメで頭が固い、実家が自由が丘にあるお嬢様だ。
恋愛ごっこが楽しめるほど、余裕がある人間にはみえない。
基本すべてに直球だ。
てか、ごっこ遊びじゃなくて恋愛しろ〜!と言いたいが
「良い男がいないんだもん…」
じゃあお前は良い女か〜〜〜〜!!
…と私の叫びがこだまする中、相方が
「俺もKさんの子供なら欲しい」…あほか!
才能という遺伝子を欲する力、恐るべし。

不倫始めようとしてるN、30才。
仕事で顔面麻痺になってるH、26才。
そろそろ結婚したいM、27才。
妊娠8ヶ月の私、30才。

女の人生って色々。


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きっと未来は面白い

自宅は駅から徒歩30分と遠い。
もとから乗り物ありきで建てた家だ。
東京の隙間、まわりに畑や学校が並ぶのどかな場所にある。

出勤のために毎日30分あるく。
相方は自転車通勤なのだが、駅まで押して一緒に歩いてくれる。
最近は、WOWOWで放送してるEUROに夢中の相方と私。
オランダ強いやら、ワントップの危険性など語りながら歩く。
にゃんと鳴くのは近所の野良猫。
短いスカート躍らせて学校から出てくる生徒達。
子供をのせて自転車ではしるママ軍団のサンバイザー。

帰り道、また30分あるく。
空には月が出ていて、数日前まで三日月だったのにもう満月に近い。
つい最近まで桜のじゅうたんだった道は
夏の夜を示す、はっきりとした月影。

そして日々大きくなるお腹。

そう、毎日違うんだ。
はっきりと思う。
そんなこと知ってるけど、ちゃんと知らなかった。
仕事をしていると【仕事の始まりから終わりまで】が1つの期間になる。
毎日とか毎週とか毎月とか、ひどくなると毎年まで曖昧になる。
「もう6月?! 一年の半分終わったよ」そんな感覚だった。
でも、妊娠するということは、毎日に気がつく事。
きっと子供が生まれて育つということは、1日が、1日で区切られる事だと思う。
毎日違う、毎日違う日々を
本当に少しずつかわっていく世界の中で生きているのだと最近思う。
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姑ノイローゼ

私が大嫌いなDV男と結婚して、子供を産んだ
親友、Mの家に遊びにいってきました。
私が食べたくて(笑)うな重を買っていったのですが
それを全部食べて一言
「こんなにちゃんとご飯食べれたの、久しぶり」

彼女はノイローゼになっていた。

原因は姑にあった。
姑は一人息子が可愛く、完全に息子に依存して育てた。
父親は不在がちで、塞ぎこむ母親をこれ以上悲しませたくない。
一流の大学にはいり、公務員になった。
母親を喜ばせることだけが、彼の喜びだった。
そして従順に言うことを聞くようにみえたMは
【親孝行のアイテム】として最高の女に見えたのだろう。
そして出会って一ヶ月で結婚、三ヶ月で妊娠。
Mは「良い嫁でいなくてはならない」と常に頑張り
それでも姑に「Mさんは嫁にきた自覚があるのか」となじられ
旦那には「お前と結婚したせいで親孝行できなくなった」と言われた。

「良かれば…と思ってしたことが、すべて裏目にでるの」

彼女は生まれたばかりの赤ちゃんのプニとしたほっぺを触りながら呟いた。
正直、Mにも悪いところがあった。
元々甘えんぼ気質で、産後実家に三ヶ月も居てしまった。
これは旦那に【父親の自覚】が生まれるわけもない。

相手を全くしらず、自分をいう人間を全く知らせず、結婚してしまった。

正直、同情できない。
私は結婚前に大泣きして止めた。あの男はやめろと。
Mはサラリと言った。
「ラリってたのね。結婚したかったし、幸せになれると思った」
悪いが、バカみたいにお粗末だ。バーカバーカと連呼したかったが
ノイローゼ中で突然泣き出すM相手に説教するほどバカじゃない。

私は結婚に反対していた。でもしてしまった。
だからもう逆に、頑張ってみればいいと言ってみた。
たぶん「もう離婚しろ」とMの逃げ道になる人は沢山居るだろうから。
ちゃんとした【価値観】のすり合わせもせず結婚した二人だ。
これから二人の家族を作ってみてはどうか、と。
姑は極力避けて(出来るかわからないが、これが出来ない
する気がちっとも見えないならそれこそ即離婚が好ましい)二人の家を。
沢山二人で一緒にでかけて、子供の問題に頭を悩ませて。
Mに聞いた。
「彼はSF,ホラー、コメディで映画は何が好きなの?」
「……知らないかも」
「彼が好きな季節は? 高校生の時の彼は? どんな少年時代だったの?」
「……知らない」
そんな大きな事じゃなくて良い。価値観をすり合わせるというのは
二人で色んなことを選択するということだ。
それを長く続けて、やっと【家族】に、【恋人】になるのだろう。

Mの旦那は間違いなく「アダルトチルドレン」だろう。
病院に行ってほしいが、プライドが高いから今は無理だろう。
病院に行くということは、自覚してるということ。
彼はまったく自覚していない。まずそこからだ。
…大変だなねぇと素で言った。
石の上にも三年、まずやってみて、ダメならウチに来なさいな、とリンゴをかじった。
Mはコクリと頷いて、また泣いた。

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