都内で一番音響がよい映画館といえば豊島園らしく
見てまいりました、ヱヴァンゲリヲン新劇場版 序。
エヴァは十年前にブームを巻き起こしたアニメで
ある程度詳しい人は「エヴァといえば○○」と
自分で何か言葉を入れられるほど有名だと思います。
ちなみに、私は「エヴァといえば【面倒くさい】」です。
グダグダとした男の子が出ているアニメ。
10年前といえば私も20才。元気で、逃げても隠れていなかったので(笑)
ウザい主人公に難癖つけながら楽しく最後まで見ました。
今回のヱヴァは、前のエヴァという素材と元に完全に再構築している作品です。
これは非常に珍しい。
普通は続編になりますね、たとえばバイオハザート3…のように。
同じ内容、同じ設定を元に、作り直す。
これはとても特殊な状況だと思うんです。
平たくいえば「前の設定良かったから、もう一回使っていい?」。
タイタニックが沈むのがイマイチだったから
宇宙船が助けにくるオチにして良い?的な物に感じます。
オマージュ?あまり聞いたことありません。
庵野秀明は、もう一度エヴァという設定を使って何をしたかったのか。
それはテレビにあって【序】の中に無かったワンシーンにあったと思います。
ネタバレ嫌いなので、抽象的に書きますが
エヴァンゲリオン初号機は、テレビのエヴァ内で【意志を持っていた】が
今回の【序】では【意志なきもの】になったと感じました。
意志なきというか、操縦者に従うもの。
それは戦隊物の乗り物、もしくはウルトラマンのような自分自身。そぎ落としシンプルに。
庵野秀明は、エヴァという素材を元に、ただ戦隊ものに
ただ面白いロボット物を作りたいのだと思います。
そういう仕上がりでした。
前もそうだと思うんです。庵野さんは帰ってきたウルトラマン好きだし。
(確かそうですよね?すいません、ここまで分析的に書きながら
私は庵野秀明にそれほど詳しくない)。
ただロボット作品にしようと思ったのに、時間に追い詰められ
自分の気持ちもシンクロして一緒に欝作品へ…。
まあそれも一つの結果。
【序】に限っては、何が足されたかが問題ではない。
たぶん、何が引かれたかが一番の問題だと思う。
たぶんこの【新・ヱヴァ劇場版】は
ロボット物としてまともな着地をして元のエヴァファンたちを失望され
同時に「これはエヴァではなく新しいロボット作品なのだ」
という【序章】になるだろう。
あと、母親的なポジショニングであるミサトがゲンドウより強い…というか
ゲンドウがショボくなっていたのも笑う。
あれは結婚した庵野秀明の「嫁コワス」という心の叫びだろうか。
伝統的にガイナックスの作品は女性が強いが。
正直。
私はエヴァを素材にしたのではなく、イチから考えたロボット物も見たかったが
自分でエヴァを見て「面白いな」と言い、新しく劇場を作った話を聞くと
エヴァの素材を使ったほうが面白い作品になると庵野秀明自身が思ったのだろう。
新しいことを思いつけるなら、オマージュなどしない。
そして自らのオマージュという足枷をつけて
最後の本気が見れそうで、続きを楽しみにしている。