真夜中に

はなれないように 強く手を握りながら
みつめた鳶色の瞳を思いだす

恋人よ

まぶたにキスを
唇に印を
貴方は私のものだと、鮮やかな蒼色で

すべてを諦めて
わたしの傍にいれば良い
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供養

聞いた事がない着信音。目覚ましのようにも聞こえる。
まだ結婚式用のドレスを脱いでいない
苦しいからと背中のチャックだけ開けてもらった状態で
耳を頼りにもそもそと動いた。泣き疲れた頭重い。

その音は、コイルの鞄の中からだった。
携帯?取り出したらコイルの携帯ではない。AU?
その瞬間にわかった。
―――安藤だ。
これは安藤の携帯だ。じゃあ私の携帯は?
鞄をひっくり返しても携帯はなかった。
AUの携帯の着信画面をみると【着信:コイル】。
―――最悪だ。
どこかで入れ替えられた。
泣くコイルを安藤が抱えていた。
そのあと迎えに来た相方にバトンタッチした所までは覚えてる。
そのどこか。
……もしもし。
「ドコモの携帯、はじめて使ったよ。明日の新幹線12時発だから」
なぜそんなに漂々としている。人の携帯盗んで。この泥棒。
「コイルが僕に渡した」
渡さねーよ!
困ったことに、次の日相方は朝6時に舞浜に取材で居ない。
宅急便で…と思ったが、明後日携帯がないのは困る。
「さっきから【ゴーダ】て人から着信が止まらないけど。仕事?」
仕事だよバカ!出るなよ。もう勘弁してよ、アホちゃうか!
キレても仕方ない。次の朝、重い体を引きずって新幹線の改札へいった。
見事なまでの二日酔いと安藤の携帯から流れる安藤の声。

「コイル」
てめぇ殺す。
「これ。お土産に」
なぜ東京ばなな。なぜ東京の人間が東京ばななを貰わなくてはならない。
「好きでしょう」
……まあね(正直好物)。携帯返して。
「一つ答えて。僕より、旦那が好き?」
安藤が好き。
「ありがとう」
―――そう言わないと引かないと知っている。
安藤は携帯を私に渡して、そのまま手を取り私を引き寄せた。
腰にふれる大きな手と長い指。思い出して右手がすこし痛む。
「じゃあ帰ります」

安藤は両手にキティーちゃん人形焼を抱えてホームへ消えて行った。
「祐子の好物なんだ」
そら、良かった。



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カレー刺身

「どうしたらコイルさんに勝てますかね」
 無理じゃね?(本音)。
 てか勝ったらKさんに好きになってもらえるのか?
 恋愛成就に必要なのは【間違いのない相手】と【素直】。
 たぶんそれだけ。
 どうあがいても【間違った人】を相手にしていては、無理。
 今までカッコイイ系の女が好きだったのに、突然かわいい系を好きになる。
 これは確率的に相当低い。人の好みなんて変らない。
「でも、好きになった人を理詰めで諦められません」
 好きになった人が運命デス!
「なんで先に言うんですか!」
 言うと思って。
「Kさんが昨日言ったんです。
 僕はね、朝からカレーが食べたいと思っていた。4日も我慢したカレーで。
 でもいざカレーが出てくる時間に刺身が出てきた気分だよ…って」
 あはは!で?なんて返したの?
「私カレーになります!」
 違うだろ!刺身のほうが美味しいですよ?だ。女体盛りだよ女体盛り(違)!
 でも女体盛りって…生ぬるくて不味そうじゃね?
 視界右隅でゴーダが恥ずかしそうにしてるのがたまらない。白い恋人食べる?
「コ、コーヒー入れます…」
 可愛いので2こあげますね。

単語機能

「今日コイルさんが持ってる【Kさんと飲む権利】。私に譲ってください」
 まっすぐな灰色の瞳。
 キュッと結んだ唇が塗ったばかりのグロスで濡れていた。
 ……あは。うん、良いよ。
 コイルは鞄を下ろした。
「ありがとうございます」
 短い髪をバサッと振りおろして身体を90度に折り曲げた。白い旋毛が見える。
 勢いをつけて頭をあげて、そのまま柏は出て行った。
「……行きましたね」ゴーダが呟く。
 どこで約束か知ってるのかしら。コイルは呟いた。
「かかってきたKさんからの電話」ゴーダは人差し指でトントンッと耳を叩いた。
「ずっと聞いてましたよ、柏さん」
 そう。再びパソコンを立ち上げた。終電まで時間があった。
「コイルさんはそろそろ」ゴーダは立ち上がって冷蔵庫からコーヒー豆を出した。
「自重してください」ジップロックをパフと開いた。「飲みますか」
 自重?コイルは両眉をあげた。私の辞書にはない言葉。そう微笑んで「飲むー」と手をあげた。

オカキ!オカキ!

妖奇士は本当にヤバい。
アニメの花形土6で初打ち切り決定の素敵アニメです。
これは名誉。何故なら私が忘れないからです(笑)。
どうでも良い作品はすぐに忘れるのですが。しかし普通に作品を頼みたい人には
全く薦めません。録画見終わりで絶叫します、ほんとうに面白くない!!
こんばんわ、コイルです。
まいさんとデートしてきました。
もうなんていうかキュートですわ。
ごめんなさい、クソ寒い日に待ち合わせしたのに見事待たせて(笑)。
ハイパーに飲まれたらどうしようと思いましたが
まいさんは人に合わせて飲める人ですね。
とても自分のペースで飲めて(自分勝手・笑)楽しかったです。
なんといっても食後のティラミス、ラブですよ。
また行きましょう。
でも裸メガネはどうかと思います。裸になったらメガネ取らね?(しつこい)

おみや


そしてお土産をありがとう。
マジでこのオカキ美味しい!バリバリ食べ過ぎて半分くらい無くなってます(笑)。
それ以上にウマいのが、このお茶ですわ。
色んな粉茶飲んでいますが、まろやかでマジ美味しいです。
無くなったらネットで買います。
勝手に映りこむは白い恋人のイメージキャラクターで黒い猫。
なんでやねん。きっと白い恋を出しすぎて黒しか残らなかったのです(適当)。
そしてこの猫、押すとブニャヤヤヤヤーと気持ち悪い声を出します(笑)。
妙にリアルで可愛くない!
気に入ったのでフラッシュメモリにぶら下げます。

おかし?

最近のおやつはすべて
スタジオ男性陣が個々に用意したバレンタインデーお返しのお菓子。
多すぎて余ってます。食っても食っても無くならない。
コイルはスタジオの誰にもあげてないんですけど貰えるものは食べる!

「コイルさん、これどうぞ」
ゴーダが差し出したのはクッキー。
え?これ
「手作りしました」
え―――?!私、男の人から手作りのクッキー貰うの初めて。
……シャクシャク。しかもウマッ。
手作りクッキーは粉っぽく、または妙にしっとりするけど
これはマジで旨い。サクサクで甘すぎず。
上に乗ってるドライフルーツもワサワサしないし。
スタジオ中の女性人ザワザワ…(笑)なにあのコ何者なの…?ザワザワ
「実はヘルシオ買ったんです」
ヘルシオ?!あれ6万くらいしねーか?
しかも消費電量すげーし、使い難し、バカみたいでデカくね?
でもヘルシオ買うとこんなに美味しいクッキーが?女性人ザワザワ…
お菓子って分量を本当に正確に量る必要があってね…ザワザワ…
「コイルさんにはこれも」
嬉しそうに出してきたのはチーズケーキ(ミニホール)。
ミニホールってケーキの中でも難しいんじゃね?
……モクモク。ウメー!
「コーヒーもどうぞ」
おうありがとう(偉)。甘くないし土台部分が旨いのはポイント高い。
横でもっそい嬉しそうにしてますが、いいのか
25才男お菓子作りが趣味で、ボーナスで買ったのがヘルシオで。

日常料理をしてる人間はお菓子作りが苦手だと思います。
日常料理は適当に作るものだから、毎日味が違って毎日食べられる。
だから料理人には男の人が多いと聞くけど私が彼女だったらイヤだなー…。
単純に太とんね?夜ご飯にチンジャオロース作ってくれるほうが有難い(断言)。
でも美味しかったです。
君はよいパティシエライターになれる。ゴーストライダーみたいなものだ。
そしてニコラス・ケイジとモト冬木は似てる。
昨日は一晩このネタで相方と笑った。似すぎてる。

挑めばいい

私には私の魅力がある?
成長過程だから見守ってほしい?
あなたより、私のほうが彼を好きなのに?
私のほうが彼を幸せに出来るのに?
結婚してるくせに?

なぜそれを私に言う。
私に挑むのではない。
彼に挑んでみればいい。

その言葉
その口調
その服装にその思考。
あなたが【私のように】なればなるほど
彼は遠ざかる。

だって私は彼から遠いから。
私の思考になったら、彼から遠ざかることになる。

求められ、返しているだけ。
私に向かって無駄にエネルギーを使うのはお勧めしない。

少し泣いて

「また俺のところから出て行くのか…」
そこだけ聞いたら誤解されますよ。コイルは笑った。

三月一杯で今の机から離れるつもりだったけど、四月一杯はかかりそう。
仕事が終わらないと出れない。
少し嬉しくて、後ろに詰まってゆく次の仕事を考えれると恐ろしい。
私を一番最初にみつけてくれたTプロデューサー。
春からこの場所をでて、荒波踊る(笑)海へ行く。
そこは泣き言や表情の変化一つ許されない鉄壁の戦場。
単純に支払われるお金の0が大幅に増えるのだ。仕方ない。

「金のためか?…いや、違うよな。
 コイルはただ面白そうだから行くんだよな。そういうヤツだ」
そのとおりです。でも週の半分は他の仕事しますから。
一種類の仕事じゃ気が滅入っちゃいますし。
「遊びに来い、といってもお前は来ないから、小さな仕事出すよ」
そうですね。ください。
一万円のイラスト仕事で良いですから。
それがあれば私はここに自信満々で来れます。
「いつでも来ればいいのに」
コイルは薄く微笑んだ。
仕事で深く繋がってる人間に
仕事以外の時間を取らせるのはあまり好きではない。
私は大義名分が必要な面倒な人間なのだ。

あなたが私を最初に見つけてくれたから
私はあなたを最後まで信じた。
そしてあなたは絶望の淵から生還した。
自惚れましょう、あなたには私が必要だと。
だから出て行きます。もっと必要な人間になれるように。
仕事の出来栄えで【元気ですよ】と伝えます。
かならずまた一緒に仕事をしましょう。
10年後も、20年後も、30年後も。

仕事につける薬は、仕事

できないことが、ただ一つ明快にあるだけで
鬼のように落ち込む。
おいおい、要求されたらなんでもできる映像仙人になるつもりか?
自分で突っ込みを入れるけど、落ち込むものは落ち込む。
「仕事でできない部分がある」というのが単純にイヤなのだ。
だってその部分で求めてもらえない。
いや、一つのことに秀でていたほうが
その箇所で絶対たのまれるから良いと思うんだけど。
私は完膚なきまでに器用貧乏の国の人だから
できないことは、嫌い。

グダグダ呟くだけで楽になれるのに
こんな日に限って相方はコンテで缶詰。
恋人は帰宅済み。
ゴーダは仕事先で飲まされて机で撃沈。風邪ひくっつーの。
誰かいないかしらと振り向いたらKさんがニッコリ。
「落ち込んでる時の特効薬です」机の上に書類を置いた。
何?【○という作品の購買層とその傾向】…仕事じゃないスか!
「効きますよ」
絶対うそだ!
でも読んだら面白くて少し元気になりました。
あの作品買ってるの女の子なのか〜。
ぜったい男の子だと思ってた〜(気紛れすぎ)。


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クルックル

先週、営業にいったのですが
「伺います」と言った時間に見事遅刻しました(笑)。
営業に遅刻する営業っているんでしょうか。
空が飛べない鳥みたいです(意味不明)。
こりゃ諦めた。いいもーん次が本命だもーんと思ってたら

遅刻した営業先から仕事依頼が。

え―――?!遅刻する人に仕事頼んじゃだめよ?!(身勝手)
原因はわかってます。
遅刻したいい訳が良かったのでしょう。

「そこの坂道で、車椅子のおばあさんが登れなくて大変そうだったので
 坂の上まで押していたのです」
「ああー。あそこの坂の下に老人ホームあるからね〜」
「そうなんですか?本当に申し訳ごさいませんでした」

実は100%嘘じゃありません。
段差に引っかかってたのを助けたのですが
そんなの1分くらいのロスです!

ただ迷子になっただけ!!
ただの下調べ不足です!!!

嘘がクルックル出てきて切なくなります。
ま。僕って遅刻を差し引いても仕事を頼みたい優秀な子だから(自惚れ)。
いや、本当に遅刻ダメ。百害あって一利なし。
明日は本命の営業なのです。
ぜっっっっっっったい遅刻できません。
早く起きてるんですよ。
でも新聞読んだり?ご飯作ったり?多めにアイシャドウ乗せたり?

五分遅刻したり?

……予定時間から一時間はやく家をでようと思います。

追って、追われて

宇多田ヒカル離婚かー…。


無理だよなぁ…。素でそう思う。
なぜなら、ウチも同じ状況に容易になりえるからだ。

私と相方が同じ仕事をするとしよう。私が脚本、相方が監督。
私たちは最高の相性を持っている。
同じ思考に違う方向性。相手の考えることが手に取るようにわかる。
こう思うなら次はこれ。じゃあコッチの思考にもっていった方がいい。
最高に楽しく、面白いものが作れると思う。容易に想像がつく。
会議で議論。家に帰って議論。
ベットで横にいる寝顔をみてセリフを考えて
食事をしながらアイデアが出たら横にいる相方に、いや、監督に相談するだろう。
そのまま会社にいって、また議論。
たまに疲れて家でゴロゴロしようものなら
「コイル、寝てる暇あるなら次稿出せ」と言われ
ゴロゴロしてる相方を見れば
「じゃあ相方もアイデア出してよ」と怒るだろう。
私たちは、一日のほとんどを【面白いものを作るため】に頭を回している。
それ故にどこで休めばいいか分からなくなる。

泥沼だ。

宇多田ヒカルと紀里谷さんも、最高の相性なのだろう。
その証拠に、紀里谷さんが演出した宇多田のコンサート映像は最高に良かった。
お互い忙しく、たまに会えて嬉しいのに
そのたまに会った場所は【仕事の会議室】だったりするのだろう。
お互いを最高に認めている。
お互いを最高に好きだから、離婚したのだろう。
よき相談相手で居続けるために、他に伴侶を求めた。

―――恐ろしく自分に被せることができて、悲しい。

だから私と相方は、なにがあっても一緒に仕事することが出来ない。
私は相方の作品の大ファンだ。結婚するくらいのファンだ。
そしてクリエイターだ。悲しいまでに。
このジレンマは付き合い始めた頃からあった。
相方と仕事したい。でも、絶対駄目だ。
今は自分の実力不足をいい訳に逃げることができる。
でも実力と実績を身につけたら周りが私たちを一緒に仕事させるだろう。
それは間違いなく面白い。売れるだろう。
そして周りが続投を望み、私たちは別れる。

絶対に仕事はできない。
全ては私の成長一つにかかっていて、伸びたくて絶対に伸びたくない。
クリエイターの前に、女か?―――いや、違う。間違いなく
女の前に、クリエイターなのだ。

これが歌手と歌手とか、同じ職業ならまだ大丈夫だろう。
私たちは戦って上に上る敵であって、仲間の職業。
私は相方を踏み台にしたくない。
甘い。よくそう言われるけど、それは、女の私が感じることなのだろう。
あー、ヤダヤダ(なんだこの結論)。


…ヤダ…。

まいさんとデートが決まってしまいました。
ネットで知り合った方と会うのは初めてです。
だって、彼ってば強引なんですっ!
俺のために時間を作れって!
締め切り無視しろって(言ってない)!
じゃないと暴れニャンコ(可愛)になるって!

文章でうける印象より普通だと思いますが(たぶん)
美味しくお酒を飲みましょうね。
確認したら休みの前日です。
どこかお店を予約しましょうか。
わ、私の好みで大丈夫ぅ?(指をモジモジさせながら)

罪、深き距離

「オタっぽい顔ねぇ」

屁理屈ばかり言いそう。
顔に出てるよ?
そう微笑んで、いつも相方の顔を掌で包んできた。
そしたらこの前、会社の【結婚おめでとう】会で

「コイルと相方さん。顔がそっくり」

そういわれてひっくり返った。
もうオタ臭いなんて言わないよ。
なんて可愛い顔。田中美保にそっくりだわ(苦)。
毎日おなじご飯たべて
毎日話して
毎日繋がれば
どーしても似るんですね。

「いつか相方の影武者できるかな」
「今日から頼む」
「会社行きたくないんでしょ」

幸せなんて、こんなもの。



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