人の幸せ、自分の幸せ

Mが二人目を妊娠しているようだ。
 しているようだ、と書いたのは本人から聞いてないから。
 共通の友人に「Mも二人目、11月らしいね」と聞かされたのだ。
 Mとは何度かこのブログに書いてるDV旦那と結婚した、15年来の親友だ。
 直接知らせてこないのは、私に反対というか
「イヤだって言ってたじゃん。離婚するかも、って言ってたじゃん」
 と言われるのがイヤなのだろう。
 そして直接「二人目の妊娠」を言ってこない時点で
 【夫婦関係が回復している事】も、ないのだと理解できる。
 Mは世間体の人間だ。
 周りが結婚する時期だから結婚して、周りが絶対反対しない公務員を選んだ。
 何よりも安定、普通を望んで。
 だから「一人っ子なんて可哀想」というフォーマットにしたがって
 作ったのかもしれない。もしくはDVか。どっちかだ。
 言葉が強いかも知れないが、妊娠したのに知らせてこない時点で
 正直真っ黒だ。言えない事って、何?
 言えない話の内容が聞きたいんじゃない。
 なんで言えないかを聞きたいんだよ。

 怒りながら
「イヤならさ、状態を回復するために何かすればいいじゃん。
 離婚するならすればいいし、したくないなら関係修復、頑張ればいいじゃん」
 言う私に旦那は言った。
「誰だって、イヤだイヤだと言いながら生きてるもんよ」
 
 私だってバカじゃない。そんなこと分かってるし
 人の人生に無責任に口出しするのはアホのすること。
 人には人の人生がある。
 でもMは私の親友なのだ。
 現時点で、彼女が私をそう思っていなくても
 私は彼女に遠慮して「イヤなこともあるよね」という普通の事は言わない。
 イヤなら考えろ。
 辛いなら逃げろ。
 逃げられないなら頭を使え。

 Mを甘やかす人間はどれだけでもいる。
 私は正論をぶつけて面倒な人間になろう。
 やろうと思ったら簡単だよ、もの分かりの良いヒトなんて。
 大体読めてる状態で「聞いたよ〜」なんてたき付けても誰も幸せにならない。
 私に出来るのは連絡があった時以降だ。この辺りが旦那と結婚して
 私が大人になったトコロだよ。昔なら速攻乗り込んで旦那の首しめてる(笑)。
 人生は楽しまなくちゃ意味がない。
 普通や幸せという観念に縛られて、大切な自分を見失ってほしくない。
 そう思うんだ。

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「元気ですか?」

 ウチのスタジオにはドラという猫がいる。
 由来は、ドラエモンのように手と足とお腹周辺だけ白く
 あとは真っ黒な所からきている。
 毎日居るわけではなく、どこかで飼われてる猫なのだろう。
 うちのスタジオではドラだが、きっと他の場所では別の名前がある
 そんな猫だ。
 
 ドラを抱えて、会議室のソファにごろ寝する私に吉沢くんは聞いた。
 ココボは床で絶賛ひとり遊び中。
 最近は右手にスプーン、左手にペットボトルを持ち
 ガチガチ鳴らすのがお気に入りだ。
「コイルさん、元気ですか?」

 私の勝手な理論で悪いが、元気ですか?と聞く人間は元気じゃない。

 ……元気なさそうに見える? 質問に質問で返した。
 吉沢くんは「いえ、そうではなく。なんとなく」とエヘラと笑顔を作った。
 新人は頭の三ヶ月が勝負だから今が一番大変だよな〜…と
 なんとなく私はドラの体の香りを嗅いだ。
 クンカクンカ。
 ……ん? この匂い、知っている。
 頭をズルリと床にむけ、ココボの頭の臭いを嗅ぐ。
 クンカクンカ。
 なんとも同じ香りなのだ。
 少し香ばしい、日向の香り。
 やわらかい感触がまた気持ちいい。
 ココボをクンカクンカ。 ドラをクンカクンカ。
「どうしたんですか?」
 嗅いでみなよ。ココボとドラ、同じ匂いだよ。
「何言ってるんですか、クンカクンカ、……同じじゃないですか」
 クンカクンカしてる顔は笑ってたから、まだ大丈夫だろう。
 ファイトだ新人。辛くなったらドラの匂いでも嗅げ。
 というか、イケメンはイケメンなだけで戦力なんだけどな。
 言おうと思ったが、あまりにおばさん発言なので自粛しました(笑)。
 ムニャムニャ呟いて午後の日差し。
 半分溶けた氷のアップルティーがカランと鳴いて励ました。

マイルール発動

中華が好きだ。
正確に書くと、中華を作るのが好きだ。
材料を先に全部準備して、くわ〜〜っと炒めて出来上がり。
すぐ出来る楽さと、ご飯のお供になる味の濃さ。
放っておくと私は毎日中華を作ってしまう。
麻婆豆腐、餃子にエビチリに回鍋肉ににら玉。
野菜も沢山取れるし、いいんじゃね?と思うが
毎日中華ではさすがに飽きる。
それで私は「私ルール」を作った。

中華→洋食→和食→の順番で作る!

中華は先日にら玉を作った。卵あまってたし。
洋食はオムライスを作った。卵あまってたし(あまり過ぎ)。
和食…、と考えて足が止まった。
和食という和食が思いつかない。
和食って、何をつくれば良いのだ?
私の頭に浮かぶのは切干大根にひじきにふろふき大根とか?
なんかガツンとくるメニューがない……。
魚でも焼くか? と思うが、二日に一度は朝ご飯にしゃけを焼いてるので
焼き魚は朝ごはん…というイメージがある。

すごくどーでもいいが、譲れないのだ。
今日は和食の日。

歩いても電車乗っても自転車乗っても考えて考えて
結局筑前煮と豚の塩たれ焼きとほうれん草のおひたしにした。
ヨッシャ和食!
今日は中華の日なので余裕だ。回鍋肉にしよう。キャベツ余ってる。
洋食もパスタにしよう、余裕だ。
しかし和食…和食よ。私は三日後にやってくる和食の日が今から悩ましい。
和食っていう和食は難しいですね。
私が一人でグルグル回って遊んでる事を旦那は知らない。
バカみたいだけど止められない。和食…魚に餡かけたら中華っぽいよな…。
和食…和食…やきそばって和食? その他っぽいよな…。
ああ、どうでもいい。でも気になる。和食…和食…。

まいにち歌声

 ココボ〜君は、大きくて〜
 毎日ミルクを〜沢山飲むよ〜
 ご飯も〜食べるよ〜、最近は〜
 なんで〜そんなに〜、シラスが好きなの〜

「なんですか、その歌」
 ゴーダはキーボードを叩く指をとめて笑った。
 何って、作詞作曲コイルの「ココボの歌」だ。
 ちなみに歌詞も曲も毎日変わるので、旦那には
「母ちゃんの日替わりソング」と言われている。
 うるさくて進まない? 
 修正するから見てほしいと呼ばれた午後、私はココボを抱っこしながら聞いた。
「いえ。面白いから、続けてください」
 ゴーダはまたパチパチと文字を打ち始めた。
 よし、お望みならまた歌おう。
 
 ココボ〜君は、最近ね〜
 ウンチをするとき〜、顔あげて〜、よつんばい〜
 ふはぁぁ〜と〜言うから〜、すぐわかる〜
 劇画タッチのぉ〜、その顔は〜
 プルプル震えて〜、可愛いよ〜

「可愛いんですか」
 ゴーダが笑って指をとめた。
 可愛いよ、超可愛いんだから。キリンみたいなの。
「キリンですか」
 ゴーダは目を宙で泳がせて想像しながら苦笑を浮かべた。
 こんな感じ、と私が鉛筆を走らせると
 ゴーダは「コイルさんは動物の絵ヘタですね」爆笑した。
 ヘタとは失礼な。 私はこれでもイラストレーターだ!
 静かに聞いていた柏は「ゴーダさん、全然仕事してないじゃないですか」と
 ゴロゴロ進む椅子ごと落書きに参戦、三人でキリンを書いて遊んだ。
 それをみた吉沢君は「こんなんでスケジュール通りに終わるんですか?」と
 至極あたりまえの事を言い、柏が「これが終わるのよ」と先輩っぷりを見せつけた。
 この場所はいつまでも平和だ。
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包まれて、雨

豪雨。

うちは鉄筋で作られているので、豪雨になると
まるでトンネルの中にいるように雨音が響く。
反射して丸い音は好き。

旦那の仕事が終わり、毎日家に居ると
育児を手伝ってもらえて楽だけど
朝昼晩と三食二人前の食事(プラス、ココボの分)作ったり
今日はあのカフェ行こうかなという
思いつきの行動がしにくくなったり
夜中にこうして文字をぽてぽて打ちにくくなったりする。
昨日も「文章書こうかな」と思ったけど
旦那が「エンターブレイン社のマンガを読んでる層は
女か男か腐女子かオタクか」という
私がノリノリになってしまうテーマをふってくるので
二時間も熱弁ふるってしまった。
おかげで喉が痛い。けど楽しい。
でも文章は打ちたいの。

今日はプチ打ち上げなのか、夕方から出かけて
まだ帰ってこない。
旦那には毎日居てほしいの。
でも居て欲しくないの。
でも居て欲しいの。

あ、豪雨やんだ。